2006年に化粧品・サプリメント事業を展開して以降、サイエンスに裏付けられた唯一無二の商品を通じて、お客さまに実感や感動を届け続けている株式会社富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー。
主力商品の『アスタリフト』や『メタバリア』でいち早く『retailor』をご導入いただき、web領域のプロモーションで日々ご活用いただいています。
そこで今回は、『メタバリアシリーズ』や『アスタリフト インナーケアシリーズ』などのサプリメントチームのリーダーを務める髙橋様に、『retailor』の導入による成果やメリットについてお伺いしました。
CPA課題はあれど「正直カートやフォームを重視していませんでした」
OS:『retailor』の導入前はどのような課題がありましたか?
髙橋様:導入前に限った話ではないのですが、通販事業を行っている以上、目標値以下のCPAを維持していかないといけないという課題は常に抱えています。そんな中、CPAを改善するためにクリエイティブテストは行っているものの、広告を回せど回せどなかなか良くならないというか、悪化するのを止められないという状況でした。
OS:健康食品市場は市況の変化も大きいですものね。
髙橋様:そうですね、市場の変化は一定仕方ない部分もありますが、ここ数年で競合商品がすごく増えたことは大きな影響があると感じています。他にもITPの問題でCookieを活用したマーケティングが難しくなったり、物価高騰などの市況の変化もあり、年々プロモーションが苦しくなっていっているのが実情です。そのような向かい風が吹く中で、どうしていくべきかというのを常に考えている状態ですね。
OS:CPAの悪化という恒常的な課題に対してクリエイティブのPDCAを回してきたとのことでしたが、カートやフォームについてはあまり手を加えていなかったのでしょうか?
髙橋様:そうですね。これまで手をつけることができていなかったっていうのが正直なところです。バナーやランディングページ(以降LP)、ストーリーや表現の仕方についてはかなりチャレンジしてきていたのですが、お客様が「買おう!」と思って購入ボタンを押した後の領域についてはあまり手を加えることができていませんでした。
OS:カートやフォーム自体の課題は感じていたけれどリソースなどとの兼ね合いで手をつけることができていなかったのでしょうか?それとも、そもそもあまりカートの課題意識がなかったのでしょうか?
髙橋様:あまりカートやフォームに対して課題意識がなかったというのが正直なところです。他社様のカートやフォームと大きく違う部分や劣っている点があるわけではないと思っていたので。それに入力のしやすさがそこまで変わるわけでもないと思っていたので、優先的に着手するポイントとしては捉えていなかったですね。
OS:確かに入り口のクリエイティブや運用のほうが改善インパクトが大きく、即効性もあるイメージですよね。
髙橋様:そうですね、一般的にはマーケティングといえば、ターゲットのマインドを想定して、クリエイティブを作って、試行錯誤していくのが基本。だからセオリーに忠実になればなるほど、どちらかというと入り口寄りの部分を頑張りがちというのはありますよね。あとは、フォームは自社のシステムに依存する部分があるので、そもそも広告代理店にお願いするものではないというのが今までの常識だったと思っています。
一方で、自社のシステムは開発工数が大きいので着手することができていなかったという背景もあります。プロモーションとシステムは別部署なので、仮に「ここをこうしたらよくなるかもしれない」みたいなアイディアがあったとしても気軽にテストできないんですよね…。
OS:きっと社内のご調整も大変ですものね。
髙橋様:はい、他にもシステムの重要課題がある中で、「これをやってほしい」とお願いすることになるわけですが、効果があるかなんてわからないじゃないですか。それなのにお金と時間をかけて実行するとなると、かなりハードルが高かっただろうなと思います。
OS:そんななか先行して『retailor』を導入した『アスタリフトシリーズ』でCVRが約1.4倍改善したことをふまえて、サプリメント領域にも拡大するご提案をさせていただきましたよね。
髙橋様:そうですね。コスメチームの結果を受けて我々サプリメントチームもやってみようという話で進めました。
OS:先ほどお話しいただいた通り、元々カートに明確な課題意識があったわけではないと思いますが、はじめて『retailor』のご提案を受けたときは率直にどんな印象を受けましたか?
髙橋様:「そういう観点があるんだ」と思いましたね。フォームやカートに目が向いていなかったので、新しい発見をいただいたぐらいの感じでした。
OS:なにか導入前に不安な点はございましたか?
髙橋様:そうですね、最初はやはり「システム的に大丈夫かな?」と不安でしたし、実際に弊社のシステム部門からも指摘されましたね。
OS:たしか弊社のエンジニアが直接お伺いして打ち合わせを行いましたよね。
髙橋様:はい、『retailor』の仕組みについてご説明いただき、懸念点を解消させていただきました。あとは本当にCVRが改善するかどうかはやはり気がかりでしたね。商材が違えば結果も全然違うなか、本当にサプリメントでも導入するかどうかについては何度も議論を重ねましたし、コストも厳しく管理しているので費用対効果が合うのかどうかも事前に確認する必要がありました。
OS:密にコミュニケーションを取って一つずつご懸念事項を解消してきましたが、導入前の営業担当の印象や対応は率直にいかがでしたか?
髙橋様:本当に真摯にご対応いただいたと思っています。事前に想定しうる改善幅などのシミュレーションを結構細かくご提示をいただいたので安心して導入することができました。
OS:よかったです、ありがとうございます!ここまでは顧客対応に関する印象をお伺いしてまいりましたが、タグ設置のみで導入できるという手軽さも『retailor』の強みの1つであると考えています。実際、導入工数はいかがでしたか?
髙橋様:導入はもう本当に簡単でしたね。手厚く導入支援していただけたので我々にはそんなに大きな手間があるわけではなかったです。簡単に導入できる点はすごく強みだと思います。
OS:ありがとうございます!今のお話だとスムーズに導入できた印象を受けたのですが、その中でも特に大変だったことはありましたか?
髙橋様:うーん。デモのチェックですかね…。リリース前にテスト購入を行う必要がありますが、導入するLPの本数が多いと数十本チェックする必要があり、そこそこ時間がかかるというのは大変な部分ではあったかなと思いますし、今もそうだなと思います。まあチェックをやらないわけにはいけないし、逆にきちんと確認をしているからこそ安心できる面もあるので必要な工数だとは思うんですけどね。
新規CV数が2倍!?「こんなに変わるんだ!」と効果に驚き
OS:導入後はどのような変化を感じましたか?
髙橋様:やっぱりCVRが明確に違いますので、本当に導入してよかったと思いますね。正直最初は「これで本当にCVRが上がるのかな?」と思っていたんですが、明らかに成果が出たので「こんなにCVRが変わるんだ!」って驚きました。
OS:素晴らしいお声をありがとうございます(笑)!導入初期のABテスト中から実際に改善効果は実感されていましたか?
髙橋様:はい、『retailor』を入れているものと入れていないないものでは全体の数字が全く違うので、明らかに入れたほうがいいというのは最初のテストの段階から感じていました。新規CV数が2倍位は変わったかと思います。あとはCPAが下がったり、広告費が変わったり、顕著な変化がありましたね。
OS:それでは導入した直後からすぐに成果をご実感いただけていたんですね。
髙橋様:導入直後から明確に感じていましたね。チーム内でも「初動いいよね」という話が挙がっていましたし。その後1ヵ月間のABテストを経て明確に成果が違ったから、そのまますぐ『retailor』に切り替えようというお話になったと思います。その後も成果が出ているので、現在に至るまで継続していますし、いろんなテストをお願いしています。
OS:早々に『メタバリアシリーズ』以外にも広げていきましたよね。
髙橋様:そうですね。すぐにサプリメントは全て『retailor』に移行しました。
OS:それでは元々の課題だった全体のCPAも下がったのでしょうか?
髙橋様:はい、かなり変わりましたね。
OS:確かに非常にスムーズに他の商材への展開が進んでいった印象があったので、それだけ改善効果を感じていただけていたようで嬉しいです。
OS:ほかに導入してよかったことや、導入してはじめてわかったメリットはございますか?
髙橋様:そうですね。PDCAサイクルを早く回せるっていう部分かなと思います。導入して明確に効果がよかった、じゃあおしまいではなくて、そこから「じゃあ次はもっとこうすれば良くなるかも?」というふうにどんどんチャレンジできるっていう点はやはり魅力的だなと思いますね。LPやバナーなどでは当たり前にやっているのに、フォームやカートでPDCAを回すことができていなかった要因は工数の大きさにあるので、その課題を解決できる手法として非常に有効だと思います。
OS:ありがとうございます。冒頭で「元々フォームやカートを重視していなかった」というお話があったかと思いますが、当時に比べるとかなりフットワークが軽くなったというか、髙橋さん自身の意識も変わっていますよね。
髙橋様:そうですね。フォームやカートの領域や、UI/UXデザインについて目が向くようになったっていうのは大きな変化だなと思います。「こういうUI/UXのほうがいいのかな?」と新たな発想が生まれやすくなりました。
OS:それも改善することによる効果を実感したからこそですよね。
髙橋様:はい、元々は課題意識も「改善しよう」という考えすらなかったですからね(笑)。フォームやカートを重視するようになったことによって、例えば「他にもECサイトの作りをもうちょっと変えようよ」というふうにいろんなところに派生していったので、このように視点が広がった点も本当に良かったかなと思います。
OS:ありがとうございます。今のお話は主に髙橋さんが感じた変化だと思いますが、チームメンバーやお客様からの反響はありましたか?
髙橋様:チームのメンバーは同じように「入力がすごくしやすかったね」とか「こういうのあるんですね」みたいな反響が大きかったです。お客様からの反響は正直あんまりないです(笑)。ただ反響がないことがむしろいいことでもあると捉えていますけどね、それだけスムーズに入力できていると捉えられるので。それに結果としてCVRが上がっているので、それはある意味「買いやすくなった」というお客さんの声なのかなと思います。
LP内でのチャット活用でCVRが1.5倍以上に!
OS:現在も継続的に改善提案をさせていただいてると思いますが、導入後の担当コンサルタントの対応はいかがでしょうか?
髙橋様:我々と一緒になって非常にいろいろと改善していただけていると思っています。あとは突然のトラブルがあったときの対応も結構スムーズだなと感じています。
OS:そういえばLPでのチャット活用などの先進的な施策も実施していますよね。最初に提案を受けた時はどんな印象を受けましたか?
髙橋様:「こんなのありなの?」と驚きましたよね(笑)。LPといえば1枚のページという固定概念を持っていましたし、あんまりチャットを活用したLPを見たこともなかったので。あとは薬機法や景表法などのケアはどうするんだろうというのが気になりました。LP内で必ずお客様にお伝えしないといけない情報があると思いますが、チャットというUI/UXの中できちんと伝えきれるかなというのは気がかりでしたね。
OS:なるほど。ただ実際には「やってみよう!」ご快諾いただきスムーズに進行した印象なのですが、先ほどおっしゃったような懸念もあるなか、前向きに決断していただけたのはなぜなのでしょうか?
髙橋様:やっぱり信頼関係でしょうか。担当コンサルタントさんへの信頼感もそうですし、『retailor』に対する信頼感もありますね。『retailor』を導入して複数回改善テストを重ねる中で都度結果が出ていたので、さらなる改善が見込めそうだと感じていました。
だから新しい施策ではあったけど社内でも「やってみたらいいんじゃない」とハードルが低かったですね。ただやっぱり信頼感があってこそスムーズにチャレンジできたとは思いますね。
OS:ありがとうございます。LPでのチャット活用では1.5倍以上のCVR改善効果が出たので、我々も本当によかったと感じています。
髙橋様:そうですね。やっぱり接客のスムーズさが大切なのかなと思いました。LPはつい長々となってしまったり、一方的なメッセージになりがちだと思いますが。そうじゃなくてキャッチボールをしながら物事を伝えるっていう点がお客様に支持される部分なのかもしれないなと感じています。
OS:データからお客様の反応が分かる点もLPでのチャットの活用の面白い部分かなと思っています。従来のLPってなかなか見えない部分、たとえばモチベーションが高いお客様に対しては必要最小限の接客でもスムーズにご購入いただけたり、購入意欲が高い人ほど定期コースの選択率が高いという傾向が見えてきたのでよかったなと感じています。
髙橋様:そうですね、元々LPではヒートマップツールを活用していたのですが、お客様が注視しているコンテンツはわかっても「じゃあそれがなぜなのか?」までは正直わからなく活用が難しいと感じていたんです。だからチャット内での選択や会話の結果を集計して、その傾向まで見れるっていうのは本当に良い仕組みだと思います。
選ばれる存在であり続けるために、快適な顧客体験を追求したい
OS:フォーム・カートの改善から始まり、直近はLPでのチャット活用と幅広くいろんなテストをしてきましたが、今後さらに『retailor』に期待したいことやリクエストはございますか?
髙橋様:やっぱり「買いたい」と思ったお客様がスムーズに購入できるように、顧客体験はどんどん突き詰めていっていただきたいですね。あとは先ほど申し上げたとおりやっぱり商材やお客様、流入元の媒体などによってベストな導線は異なると思うので、最適化してより一層CVRを高めていけるようになるといいな思っています。
OS:そうですね、ぜひここから一緒に突き詰めていきたいなと思います!それでは最後に差し支えない範囲で、貴社の今後の目標やチャレンジしたいことについてお聞かせいただけますでしょうか?
髙橋様:ある意味当たり前と言えば当たり前なんですけど、各商材ともしっかりと伸ばしていくというか、お客様に受け入れられて買っていただける状態にしていくことが大切だと思っています。その最初の出会いが広告なので、クリエイティブでお客様と信頼関係を醸成し選ばれるようににしたいんですけど、快適に購入できるかどうかという点が企業に対する信頼感の基盤となってくると思うので、より一層スムーズな設計にしていきたいと考えています。
OS:確かに操作性や安心感はブランドイメージに直結しますよね。
髙橋様:表示速度が遅かったり、入力しづらかったりすると、やはり洗練されていない印象になりますからね。もちろんお客様のネットワーク環境やデバイスのスペックなどいろんな要素があると思いますが、どのお客様においてもよりスムーズな状態が実現できたらやっぱり違うのかなと思います。
OS:そのビジョンの実現に向けて『retailor』に期待している点はありますか?
髙橋様:例えば確認画面やヘッダー・フッターなど、購入導線上に今までいじっていない部分がたくさんあるので「もっとこうしたら良くなるんじゃないかな」とか「こんなチャレンジどうでしょうか?」みたいに一緒にチャレンジして取り組んでいきたいです。特に確認画面は最後のワンクリックを躊躇するお客様も絶対いると思いますのでもっと良くしていきたいですね。
OS:そうですね。あとは不正注文対策や、CRM領域での活用もいろいろできたらいいなと考えています。別途施策ブレストを行って、どういう方向で具体的にやっていくか詰めてきましょう!
髙橋様:ぜひぜひ一緒にやれればと思います!
OS:それでは最後に『retailor』を検討中の企業に一言お願いしてもよろしいですか?
髙橋様:お客様と向き合い、そのマインドを考えてクリエイティブを制作していくというのがマーケティングの基本だと思っていますが、お客様が購入を決意した後の導線についても思いを馳せられているかどうかも重要なので、もしこの視点がなかったらぜひとも持っていただければと思います。このお客様体験を改善するにあたって『retailor』のPDCAのスピードやクオリティはとても魅力的なので、導入課題は各社それぞれあると思いますがまずはチャレンジしてみてほしいです。あとは「ベストな導線はなんだろう」と突き詰めて考えていくことによって、お客様にとっても自分たちや会社にとってもよりよい状態を実現できると思うので、『retailor』を活用して試行錯誤を重ねていくのがいいかと思います!
OS:熱いメッセージをありがとうございます!(笑)
株式会社富士フイルム ヘルスケア ラボラトリー
営業推進本部
ダイレクトマーケティンググループ
リーダー
サプリメントチームのリーダーとして、『メタバリアシリーズ』や『アスタリフト インナーケアシリーズ』など全ブランド商品の戦略立案及び実行管理を行っていらっしゃる。